真珠への想い。

先日、真珠科学研究所の最新情報セミナーに行ってまいりました。

所長の小松先生とお会いするのも1月のIJT(国際宝飾展)以来でしたので、久しぶりのご挨拶となりました。
小松先生は相変わらず研究が好きで、今回もテリ(輝き)の起因となる仕組みの新しい見解を発表しました。
これが立証されれば、今までの定説が変わるような内容です。
今後の動きが気になるところですね。

私事ですが、ここは私が1年間勉強させてもらった母校でもあり、真珠鑑別鑑定機関としても世界でトップだと思います。
そんな中で小松先生がずっと声を大にして言っていた事。
それは・・・

「真珠はテリ(輝き)があるからこそ宝石と成り得る。
 テリが一番重要とされるべきである」

確かにいくらキズがなくても、いくら巻きが厚くても、いくら真円に近くても、このテリ(輝き)が無ければ人はキレイだと感動しませんよね。
私は宝石について勉強し始めたときから、一番重要なのは「テリ(輝き)」だと考えてました。
しかし、そのとき教えていただいていたGIAを持っている講師の方の真珠論では「巻き」が重要とされており、巻き=テリ(輝き)という間違った考え方もここで知りました。
しかし、ここで疑問が沸いてきたのです。
巻き=テリ(輝き)ならばなぜ白蝶真珠よりアコヤ真珠のほうがきれいなのか?
(巻き厚は白蝶真珠のほうが圧倒的に厚い)
なぜ越物(巻き厚 0.6〜0.8mm)といわれる希少なアコヤ真珠より当年物(0.3〜0.5mm)といわれるアコヤ真珠のほうがキレイだと感じるものもあるのか?
疑問に思い、他の業者さんに聞いてみても一様に「巻き」が厚いから。という答えになってない答えしか返ってこない始末。

そこで、その疑問を解決すべくとりあえず真珠専門の鑑別機関で勉強してみようと思い、真珠科学研究所の3日間の短期セミナーに応募しました。
ここが小松先生との最初の出会いです。
それまで疑問に思っていたことが初日の一言で解決したのです。
それは・・・

「巻き=テリではない。
 数ミクロンの真珠層1枚1枚の厚みがテリを決めるのである」

全てが納得したのと同時に間違った答えが一般化していることに危機感を感じ、1年間しっかり勉強して真珠のスペシャリストになる決心をしました。
そうして小松先生の下で宇和島や西表島の養殖の現場に触れて、なおさら真珠という最古の宝石に惹かれていった次第です。
こうやって振り返ると人との出会いってすごく貴重ですよね。
小松先生に出会ったことで素晴らしい無調色真珠というものに出会い、その無調色真珠によってお客様と出会う・・・
一期一会の言葉の意味を噛み締めます。
そんなこんなで私の真珠や宝石たちに対してのこだわりをちょっとでも感じ取って頂けたら幸いです。

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