人造ダイヤ”シミュレイテッド・ダイヤモンド”とは・・・?
こんにちは!
今日は風が強いですね。
外では他のお店の看板が倒れたり、店内にチリやゴミが入り込んだりと強風はやっかいなんですよ
今日は何回もガラス拭かなきゃ〜
先ほどどこからか送られてきた通販カタログを見ていて気になった商品が・・・
「存在感のある輝きは本物以上。米国第一級の科学者により開発された最高級人造石”シミュレイテッド・ダイヤモンド”を一流職人が宝石同様に仕上げた本格的ジュエリーです・・・」
と書いてある商品。
これってつまり何の石なんだろう??
紙面のどこを読んでも人造ダイヤモンドとしか書いてないし。。。
あくまで人工ではなく人造と書いてある時点でキュービックジルコニアだと大方の予想はついていますが。
そこで調べてみたところ、分かりました。
結果はやはりただのキュービックジルコニア。
この書き方だと偽物でもダイヤモンドなんだ!って思っちゃいません!?
念のため言っておきますが、キュービックはダイヤモンドとは全くの別物。
結晶構造から違います。
お間違えなく。
揚げ足取りに聞こえるかもしれませんが、書き方って凄く重要なんです。
宝石業界の中では人造・人工・合成・模造とそれぞれの意味が違っています。
今回の件では人造?人工?とわかりにくいようにわざとしてあるのが見えますね。
あくまで人工とは、自然界にあるものと同じものを人の手で作り出すこと。
例えば人工ダイヤモンドというのはあくまで結晶構造も素材(炭素)も同じものですので、屈折率(光を曲げる力)や硬度(キズのつきにくさ。ダイヤモンドは硬度10)は同じです。
ダイヤモンドヤスリやカッター、半導体として使用するには人工でもいいので期待されています。
対して人造とは、自然界に存在しないものを人が開発して作り出すこと。
これがここでいう”シミュレイテッド・ダイヤモンド”、つまりキュービックジルコニアなんです。
ダイヤモンドとは硬度も結晶構造も素材も違う、全くの別物。
価値も天然ダイヤはもちろん、人工ダイヤと比べても全く低いもの。
それなのに人造ダイヤモンドと謳うってどうなのかな〜?
法的には間違っていないのですが、買う人は紛らわしいと思うんですよね。
好きじゃないですね、こういう売り方は。
皆さんも言葉にはお気をつけてくださいね!
念のためキュービックとダイヤモンドの見分け方をお教えします。
どちらが本物のダイヤでどちらがキュービックジルコニアでしょう?
正解は・・・
左の石が天然のダイヤモンドです!
この写真の時点で分かったかたは凄いです!!
見分け方はこういう石だけの状態なら凄く簡単。
本物は透けが少ないのに対し、偽物は透けが多いんです。
これは屈折率がダイヤモンドが2.42に対し、キュービックは2.1前後なのが原因ですね。
つまり、光を曲げる力が弱いため透けて見えるんです。
紙に線を引いた上に載せるとさらに分かりやすいです。
線がはっきり見えます。
他にも見分け方として、拡大して見ると天然ダイヤモンドは角がシャープなのに対し、キュービックジルコニアは丸みを帯びています。
これは天然ダイヤモンドが硬度10なのに対し、キュービックジルコニアは硬度8.5程度なのが原因です。
最後に、最も見分けやすいのは商品名です。
今回のようになんとかダイヤとか、なんとかヒスイ(台湾ヒスイなど)と宝石名の前に余計な言葉が入っている場合はまず偽物か模造品です。
偽物や模造品をしっかりと見極めて、正しいお買い物をして下さいね。
Simulated(シミュレーテッド)
意味:〈毛皮・革製品などが〉本物でない,まがいの,見せかけの
〈行動・性質・感情などが〉偽りの,振りをする …
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